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OTAKU USA記事



アメリカのオタク向けメディア誌「OTAKU USA」にラストページのトリですね、「Gold Ring」の記事が掲載されました。1ページまるっと使われていてすごいです。

実は私達のインタビューも同時に掲載する予定の依頼がありましたが、昨年猛烈に忙しい時期できちんと取り組む精神的な余裕と時間が取れなかったため、セドキ氏のみのインタビュー記事となりました。

(大変申し訳ございません)

その後私達のインタビューは今年お正月の時間に無事送る事が出来まして「OTAKU USA」のサイトの方に掲載されまして、すぐにドイツやスペインにも知れる所となりました。インターネットの凄い所ですね。


ライターはJason Tompsonさん。(「Manga:The Complete Guide」編・著者。北米で最も発言力のある漫画評論家のお一人です)


OTAKU USA」は現在では北米で唯一の、広く展開しているアニメ・マンガ専門誌なのだそうです。


アラブの文化の漫画が「MANGA」を通じてアメリカに知られるというのは大きな意味がある第一歩なのかもしれません。



おなじみの小松さんがジェイソンさんとのパイプ役を勤め、記事の翻訳分も送って来て下さいました。いつも有り難うございます。お疲れさまでした。


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“A Boy and His Bird 

Qais Sedki and Akira Himekawa’s Gold Ring” 

by Jason Thompson

(OTAKU USA 20114月号P106掲載記事)


父親がなく、心優しき母親と暮らす1人の少年は、ある競技の達人になることを夢見ていた。その手で運べる誠実なパートナーと共に、同じようにパートナーであり調教者である他の参加者達と、チームワークと情熱、そして技術を示しながら、トーナメントで競っていく。

 こう書くとポケモンや、他の無数の典型的な少年マンガ作品と同じようなプロットに思えてしまうかもしれないが、主人公の少年がカンドゥーラ(アラブ男性の白い正装)を、母親がヒジャブ(イスラム教徒の女性が顔を隠すのに用いるスカーフ)を身につけており、舞台がアラビア半島で、主人公の動物の友達が鷹だとしたら?

Gold Ring(アラビア語読みで”Siwari adh-Dhahab” )はアラブ首長国連邦のカイス・セドキ氏による原作を、「姫川明」として知られる日本のマンガ家チームがマンガとして制作した作品である。その物語は、サルタンという名前の少年と、忠実な鷹であるマジュドが、世界中から集まってきたライバルの鷹匠達と、ゴールド・リングと呼ばれる鷹狩りのトーナメント大会で戦っていく過程を描くものだ。「グローバル・マンガ(この場合はOAL…Original Arabic Language マンガと称すべきか?)」と呼ぶしかない、一連の作品群の中では、最も素晴らしい新作だろう。

 中東の他の子供と同じくセドキ氏も、テレビで放送されるアニメを見せられながら育った。「子供の頃に見たアニメのほとんどは、アラビア語に吹き替えられた古い名作でした。その中で最も人気があったのが永井豪先生の『UFOロボ グレンダイザー』です。『グレンダイザー』は私だけではなく当時のほとんどの男の子のお気に入りで、他にも『プラレス3四郎』『未来少年コナン』『伊賀のカバ丸』『猿飛佐助』なども同じくらいの人気でしたね」アメリカで学士号を取得している最中に、セドキ氏はマンガのファンとなってしまう。アニメとは違って、アラビア語で手に入るマンガは、違法のスキャンレーションによるものしかなかった。「楽しみに読んでいるのは、やはり最近の作品で、『FAIRY TAIL』『ONE PIECE』『NARUTO』『シャーマンキング』『テニスの王子様』とか、それに出来の良い少年マンガならなんでも、ですね!

 こうしてセドキ氏のオタクとしての人生が始まった。日本語を学び始め、何度も日本を訪れ、MBA(経営管理学修士)を日本で取得しようとまで考えたこともあった。UAE(アラブ首長国連邦)ITの専門家として働いている間も、彼の心は常にマンガに向けられており、ナイェフ・アル・ムタワ氏によるアラビアのスーパーヒーロー・コミック「The 99」の出版により、セドキ氏自身の手による、マンガの制作と出版の可能性についても考えていくようになる。彼は、日本の出版社、小学館の自費出版部門である小学館スクエアとコンタクトを取り、企画を提出してみた。小学館を通して、彼はアメリカではVIZ Mediaから出版されている、「ゼルダの伝説 時のオカリナ」のコミック版によって最も知られている、日本人マンガ家チーム姫川明と出会うことになる。

 地理的・言語的な壁によって、「Gold Ring」の制作ではアラビア語・日本語・英語という、三つの言語による原稿が必要となった。セドキ氏がドバイで粗筋を書きながら、いくつかの翻訳をこなす一方で、姫川氏は日本で作画を進める、という風に。日本への旅では、姫川氏に作画の参考とするための本や雑誌、鷹狩りの道具などを提供した。

「東京での、あるミーティングの時には、直接私達の衣装というものを見せてあげたくて、完全なアラブの正装をして、登場してみせたこともあります」セドキ氏は笑う。「姫川先生は物語内容についての調査を、完璧にこなしておられました」

 だが、何故この「Gold Ring」という作品になったのだろう? 何故鷹狩りを?「マンガを創ろうと考え始めた時、たくさんの違うプロットが思いつきはしたのです。基本にあるアイディアは、競技が中心にある語り口に、文化的な要素を織り込んでいこうというものでした。この作品の場合は、それが鷹狩りだったのです」

 セドキ氏と担当編集者のYoko Miyata氏は、日本とアラブ、それぞれの鷹匠に意見を求め、作中で描かれている情報が正確かどうか確認していった。鷹狩りの起源はおそらく中央アジア(現在の国名では、トルクメニスタン・カザフスタン・タジキスタン・キルギスタン)、あるいは極東地域になるのだろうが、UAEにおいても数世紀にわたって、人気のあるスポーツになっている。

 「Gold Ring」がまず「マンガ」作品であるということは否定しないが、特にまた「アラブ・マンガ」と呼んでもいいだろう。セドキ氏は、自分が一度も通ったことのない日本の高校を舞台にした物語を書くような作家ではない(Kasumi」や「Red String」のような作品のこと)。氏の第一の目的は、常にアラブ諸国の読者に向けた、アラブを舞台とするグラフィックノベルを創り出すことだ。

 「Pageflip Publishingは伝統的な日本のマンガスタイルで描かれた、オリジナルのアラビア語グラフィックノベルを出版し続けていくために、私が設立した会社です。他の一、二の作品と共に、『Gold Ring』の執筆も続けていきたいですね。そういった経験を積んでいって、いずれは私ではない、別の作家とマンガ家の組み合わせによる作品も、出版出来るようになっていければと考えています」

 スタートは幸先良いものだ。「Gold Ring」の第1巻は、権威あるSheikh Zayed Book Award2010年度児童文学賞を受賞した。その後も、セドキ氏はイギリスのオックスフォード大学での講演に招待され、「Gold Ring」について、そしてマンガというメディアを用いて、どうやって子供達に(特にアラビア語による)読書の楽しさを伝えていけるかについて語った。

 「Gold Ring」第1巻は、現在アラビア語版がPageflip Publishingから出版中で、アメリカ国内でも、オンラインストアAmazonで購入可能になっている。英語版第1巻はまずUAE地域向けに、アラビア語版第2巻と共に2011年夏の出版予定だ。予選を合格したサルタンは、第2巻では初めて本当に、戦う対戦相手と向き合うことになるだろう。セドキ氏は英語圏の読者からも、応援と反響を求めている。

 「英語圏のマンガファン層は、決して軽んじることは出来ない力を備えています。Twitterでも、ぜひ意見を伝えて欲しいですね。自分たちの言語でこの作品を読んでみたいと言ってくれる人達の言葉は、きっと心強いものになりますから!


・質問や意見を伝えたい方は、カイス・セドキ氏のTwitterアカウント @qsedkiまで。


翻訳:小松幹和Komatsu Mikikazu




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2011年02月01日(火) 01:06 by Akira Himekawa [ Edit ]