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UAE/ADIHEX乗馬狩猟展示会その1 (2013/09/01〜02)

アブダビ乗馬狩猟展示会ADIHEX参加一連のUAE訪問レポートです。

日本の漫画家の不思議な縁の巡り合わせの数々。
我ながらいつの間にか風変わりな潮の流れに流されて、イチ漫画家が体験するにはありえないような、10日間の面白レポートをお楽しみ下さい^^。


ドバイと日本でコラボレーションをして出来た初のUAEアラビア語漫画「Gold Ring」で縁が出来たのが2006年の事ですが、今回は初のUAE訪問です。

今年2013年の2月に、国際石油開発帝石鷏(INPEX CORPORATION/以下INPEX)さんから、社の一環で国際交流事業で毎年行われるアブダビの乗馬狩猟展示会(ADIHEX)に2004年から参加をしているのですが、今年は特に鷹狩りをフィーチャーしたいと思っているので参加をお願いしたい旨のご依頼がありました。

この展示会はUAEのみならずアラブ最大にして大切な、特別な意味を持つ乗馬と狩猟(主に鷹狩り)に関しての展示見本市、エキシビションなのですが、隼の実売や、乗馬や狩猟犬のサルーキのコンテストがあったり、銃の実売もある、日本ではちょっと想像がしにくいものだと思いますが、とにかく狩猟ハンティングに関するものと乗馬、競馬に関しては世界最大の規模で開かれます。
(鷹狩りはアラブでは国を挙げて行われる大切な文化です。お札の絵にハヤブサが描かれている事からも推し量れます)

INPEXさんはこのアブダビで石油を掘削、日本に運び販売をする会社です。
日本にとって石油の安定供給は必須であります。(日本のみならずですが)
文化交流を通じて産油国と日本との信頼関係を築き上げるため(UAEだけでなく世界中の産油国と交流事業が行われています)アブダビでは2004年から毎年ADIHEXで日本としてブースを出し、日本の文化を紹介、交流を続けています。
それは、人同士の信頼感が特に必要なこの国では、とても純粋で、地道で粘り強く、しかし時間はかかりますが確実な活動ともいえます。

そんな中、「GoldRing」が呼ばれたのはとても必然だったのかもしれません。

この作品に関して制作に携わった人達は皆、日本のマンガ商業ビジネスとは無縁に、純粋にお金以上の奉仕をしました。私達も日本の仕事を犠牲にして時間を作って描いて来ました。それは皆ドバイ人のセドキさんのこの作品に対する考え方や哲学、純粋な夢に共感し、応援したいという気持ちからなのです。

その作品が2010年にUAEにとってもっとも権威のある「シェイク・ザイード・アワード」(世界中のアラビア語の本を対象にした文学賞)の児童文学賞を取ったのは大変感激的なものでした。


そのUAEと日本を繋ぐ作品が「鷹狩り」がテーマの漫画であった事で、今年INPEXさんからお声がけ頂いた次第です。

実はGoldRingは変わった作品で、漫画の感想や評価ではなく
「世界石油会議に出てくれませんか?」
などと、変わった依頼が以前から多かったのです。

しかし、それは「漫画」というものから完全に外れていて、これを漫画の一作品としての感想も言えない人達にどうしても信頼が出来ず、
「変な形で利用はされてはいけない!」
という思いが多かったのです。
あくまでも個人的なやり方の話ですが(ビジネスを否定する話ではありません)
私は基本漫画は自分の中で、どれも苦心をして、その作品らしい、少しでも読んだ人が面白いと思ってもらいたい、自分が面白い!と思う物を全力で取り組んで描いて来ました。
どの作品も平等です。
そこに「何々の為だから〜」というのは基本的に制作の時には考えません。そういう取り組み方をした時点で作品は死んでしまいますし、何より、自分達が描く気がしなくて描けないのです。そう言った意味では私達は正直で不器用です。
何かに利用するという話から入るとかけなくなってしまうので、その制作現場の「聖域」には無縁でありたいと願っています。
もしあるとすれば、それはその作品の持つ質であり、手が離れて世に出てからの結果の形かと思うのです。

話のネタなのでしょうが^^;日本ではすぐUAE=お金と考えてしまいがちです。
仕方が無い事なのかもしれませんが、何かをこの国で成す時にそれを初めに考える事は結果遠回りですごく浅はかな事だと今回気がつかされました。


そんな中今回INPEXさんの依頼も、実は最初はかなりはじめ躊躇しました。
しかし、直感的に「これは、行くべき!」というセンサーが働いたので、結果OK!をしました。
ここ数年海外の縁が深くなりつつあった我々の自然な流れでもありました。
私達は、漫画が「MANGA」という意味になった、その世界での立ち位置や意味が理解出来ていたので、又、今年は政府がこういったコンテンツを国外にアピールする事に対して積極的でもありましたので、
文化交流として「漫画が立つ!」と判断しました。そこに「鷹狩りの漫画」というダブル要素が加われば、このお仕事は「空回り」しないと判断したのです。

私達は世界の文化が好きで、いくつかの国を旅して来ましたし、鷹狩りや馬も犬も理解をしていてそれだけでも動く事は出来たのですが(漫画家になる前は犬の仕事をしていたり、馬を愛したり、ペンネームは以前は狩鷹といいましたw)
しかしやはり漫画家として動くには「漫画」が主役でなければ筋が通りません。
と言う事で今年はINPEXさんの趣旨がはっきり「漫画」をフューチャーする、という事を打ち出して頂けたので、一度UAEには行かなければ!と考えていた事もあったので、今年は参加する絶好のタイミングと考えました。

だらだらと前置きを書いてしましたが、
そんな事も踏まえながらレポートをお楽しみ下さい^^。

 


9月1日 日本時間の13時に名古屋の自宅を出発して、
中部国際空港14時30分発の成田行きに乗り、そのまま成田で9時20分発のエディハド空港でアブダビ直行便に乗る算段ですが、
そこに行くまでに、いろいろ大変な事が目白押しでした。

まずアブダビに行くまでにどうしても入れて欲しいというつばさ文庫「シートン動物記」2巻の表紙イラストを無理矢理なんとか描いて納品。

で、月末までの事務処理をこなしながらINPEXさんから頼まれていたVIP贈答のための3枚のイラストを描き…これが体調が悪化してなかなか描けなくて悪戦苦闘。

長野は上海から帰ってから風邪発熱でダウン→2日でなんとか治しましたが
本田が6月から引いていて治りかけていた風邪咳が突然ぶりかえして発作のようになって、出発2日前に病院の救急外来にかかるという…
血圧も180を越え、かなり高くて支度すら出来る状況じゃないほど体調は最悪で、一時は本気でキャンセルも考え、長野一人になるかも…というところでした。
薬で咳を押さえ、必死で治る事を願い、なんとか発作は治まり復活しましたが、まだ食欲も無い中8/31に旅の買い物に出かけ、イラストを3枚なんとか仕上げて、9/1に中部セントレア空港に車で出向き名古屋を出発し、成田へ飛びました。

体力回復!を第一目標にかかげ、
アブダビまでのフライト時刻まで時間があいてしまうので成田で仮眠室を予約しました。

これがとっても大正解!

出発のバタバタですでに疲労していた体をシャワーと、1時間半でしたが仮眠をとってリフレッシュが出来ました。仮眠室いいなあ。
その後、出発のゲートでINPEXの和田さんと、鷹匠の大塚さんと榊原さんと合流。
この日は私達は仮眠室で休む為に早くチェックインしたのが正解で、なんとその後、不審物が発見されて、エティハドのゲートが一時封鎖されて混乱していたらしのでした。


エディハド航空はとてもいい飛行機でした。
入ったとたんになんだか癒される、ムードがありました。リッチ感といいましょうかw。
で、機内食が美味しい。機内食が美味しいって(大事な事なので2回言いましたw)なかなか大変ですよ。
発作が起きてからろくに食べられませんでしたが、これが初めての美味しく食べられた食事でした。


12時間のフライト。機内ではなかなか睡眠って取れないもので、アブダビに着いたのは現地時間の朝方4時半くらい。


到着!


まだ真っ暗です。
しかし朝方だというのにかなり暑く吹いて来る風がクーラーの室外機の風みたい。
どこの国もそうなんですが、初めて訪れる国は空港から車に乗って街に向かう時、その風景を目にする時がドキドキしますね。そしてニオイも。

ホテルに到着。シックな色合いの大人のムードのホテルは素敵でした。
ここはインテリアが、ブラウン&ゴールドの組み合わせがとても多いです。
3時間くらい横になれたのですが眠れたのは1時間くらいかな。


目が覚めて窓の風景はこんな感じでした。
う〜〜っ寝不足を意識するのはやめよう。
起きて11時に集合して一路ドバイへ!

「Gold Ring」を2006年に描き始めてから一度は行かなければとずっと思いつつなかなか実現しなかったドバイ行き。とうとうドバイの土を踏むのだね。
車は快適に高速を飛ばす。
飛ばす…はずが途中でいきなりパンク!

ひょっとして大惨事になるかもしれなかった高速でのパンク。
左から二車線目を走っていましたが、四車線の右の二車線が幸いにも車が来なかった事で、なんとか車を右によせ路肩に止める事が出来ました!(こちらは左ハンドルなので日本とは逆なのです)


道路の周りは砂漠です。
漫画みたいな話ですが、慣れない独特の暑さに代車が来るまで1時間くらいその場で待つのが辛かった〜
暑さが睡眠不足にはこたえる…
そのときの和田さんの心中は察するにあまりありますよね。たとえ保険がかけられていても、とっても晴れやかな日本人によるイベントの参加が、一転、日本人事故の大ニュースになってしまう可能性もあったのですから^^;。
それにしてもパンクそのものが初体験で、それも高速。横転しなくて本当にヨカッタ、ヨカッタ^^。お守り、しっかり持っていましたから。
(でもね。不思議と最初にこの車に乗った時に何かが不安感がよぎったのだよ。このパンク以降そのかんじは無くなったから、最初に厄落とししたのかもね。その後の夜中砂漠を3時間走る時だったら、助けなんてすぐ来てもらえなかったと思うしね。夜中もかなり暑いしね^^;)



一時間ほどして代わりの車が来てして改めてドバイへGo。


到着してまずは日本総領事館公邸へ。
在ドバイ日本総領事館の松永さんが昼食会を開いて下さりご招待にあずかりました。


セドキさんとこちらで再会。
お久しぶりです。2011年の六本木TUTAYAのサイン会以来ですね。パンクで到着が遅れたのをねぎらってくださいました。
この季節は暑過ぎてこういう事が時々起こるのだそうです。

とても美味しい京料理。睡眠不足で疲労した身体にはぐっと沁みました。
純日本食が大変有り難かったです。
どんな職人さんかと思ったら、予想していたよりずっと若い、京都で修行したという日本人青年でした。ごちそうさまでした!

総領事が「Gold Ring」をしっかり読んで下さっていて、
「家族の描き方がとてもいいですね」と感想を言って下さったのに大変驚きました。前置きにも書きましたが、この作品はUAE、アラビア語の漫画という特異性に隠れてしまって、全く別のベクトルでオファーされる事が度々で、内容の感想など言われる人はあまりいませんでした。そんな事もありましたので、本、作品として見て下さった事に感じ入りました。
実はこの国では家族の繋がりがとても大切で、日本でもかつてはそうだったと思うのですが…明治大正…昭和のあの頃、といえば解っていただけるでしょうか…
そこはとても大事に描いた所なのですね。

松永さんは座禅をやられていらっしゃる、というお話で、背中に芯が通った、しかし柔らかで礼節を重んじる日本人の佇まいを体現していらっしゃる方でした。

お話が禅や密教から、なぜかヒマラヤなどの話にまで及び、
ふと、どうして今?とよぎる物がありましたが、なんだか必然のような感じも受け(ヒマラヤも禅も密教も少なからず縁のあるものだったので。最初の海外旅行がネパールで遊覧飛行でヒマラヤの上を飛びましたし…)会話がはずんで、
非常になごんだ雰囲気の贅沢な時間を頂きました。




写真左上の方が在ドバイ日本国総領事館 総領事の松永さん。
上中央が鷹匠の大塚さん、右が鷹匠補の榊原さん。
手前左がINPEX和田さん、中央がドバイ紀伊国屋書店の川上さん、右がセドキさん。
こういうお食事会に招かれるのは初の体験でしたが、逆に日本の事をいろいろ考えたのでした。


その後、夕方6時からドバイの紀伊国屋書店でプロモーションイベントがあるので
再び車に乗りドバイモールへ向かいました。
が、前日まで喘息で行けるかどうかの瀬戸際であった中、飛行機の長旅、始めての国、睡眠不足、高速でのパンク、総領事館初のお食事会と続き
さすがに気を張っていましたが、ここでドッと来てしまったのでした。

もうどうしようもなくしんどい中、これからサイン会は持つのだろうか…と不安が。
2010年の時のドイツでの、発熱の中でのサイン会の記憶が頭をよぎります。
でも、INPEX/JODCOの和田さんや吉田さん、鷹匠の大塚さん達が全力でサポートしてくれて
紀伊国屋の店長さんも休む場所を確保してくれたり、本当に助かりました。


紀伊国屋書店の入口。
サルタンのポップが。右のはずっとここに飾ってもらっています。


姫川のUAE訪問を伝えてます!



ドバイの紀伊国屋は世界一広い面積を持つ書店で、その品揃えたるやものすごいモノがありました。サイン会ではなくお客として一日中いたいと思ったです。


セドキさんも到着。



みなさんで準備中。



ドドンと積み上げられた「ヒストリア」英語版と「Gold Ring」




日本で売られている姫川のコミックスも売っています。
こちらに住んでいる日本の人が買うのだそうです。
あと、こちらのマンガアニメファンが日本語の勉強のために買っていったり。
みな原書を欲しいんです、とのこと。
「ヒストリア」の日本語版を入れたいのですが、と言われました。
増刷しませんか小学館さん。

サイン会の直前に、メディアのインタビューを受けました。


左がインタビュアーさん。
中央が通訳して下さったJODCOの吉田さん。




いよいよ始まりますよ。


日本語で挨拶w
このドバイ紀伊国屋でサイン会が出来る事を大変光栄に思います!



絵を素敵なパネルにして頂きました。



今回の為に作ったノベルティグッズたちです。

イベントを華やかに彩ってくれるモノですから、ひとつひとつ頑張って作ったんですよ〜
これにも苦労話があるんですが…長くなるのでまたの機会に…

うちわとマグカップは、デザインと筆文字を長年の友達でデザイナーのGEKIさんに頼みました。素敵です!とINPEXの皆さんも喜んでくれました^^
来てくれた人が喜んでくれればなお!

今日はサインをもらった後くじを引いて当りが出たらどれか一点もらえます^^


マグカップは6種類くらいあったような。



Tシャツ各種。



キーホルダーがかわいいです*




セドキ氏と3人で並んでサイン会です。
すぐ横には「進撃の巨人」が山積みになっていました。
世界中が巨人に進撃されていますね〜。


鷹匠の大塚さんと鷹匠補の榊原さんがTシャツを来て抽選を手伝ってくれました!
うわーい。


サイン会始まった瞬間、もう一斉に手が出て来ました。
わらわらと。
日本のように静かに順番を一人一人待つというお行儀の良さではなく、
並んではいるものの、次から次へと本を差し出して描いてくれ!と来ます。

「わ〜〜><何とかして下さい!」と思わず言ったんですが、
「こちらはこういう習慣なので…」というかんじで何ともならず、
それならどんどん描くよ!みたいな感じで開き直る。
場のテンションはだんだん上がって行き、お客さん皆で盛り上がっていました!




後ろはゼルダ姫のコスプレイヤーさん。写真を吉田さんに見せてますね^^。はしゃぐ吉田さん。美しかった〜。



こちらの皆さんも漫画大好き!いろいろ話しかけて来るし、私達も交流を楽しませて頂いているうちに、だんだん疲れも吹っ飛んで来ました。
最初一塊だったお客さんも盛り上がって来ると、だんだん何事?とばかりに人が次々集まって来ます。

ふと気がつくと、先ほどの総領事館の皆さんが、料理長さんもヒストリアとGoldRingを持って並んでいるではありませんか!
皆さんで来てくれたんだなぁ。
先ほどお食事会して頂いた身なのに、どこか家族的な身内の方が来て下さったという感じがしたのは、やはりここが異国の地だからでしょうか。
日本が家族*^^*

そして何とかテンションを保ったまま二時間。サイン会は無事終了となりました。
うう〜。身体持って良かった〜。
皆さんのパワーに支えられました。


後ろ中央が松永さんと領事館のご家族の皆さん。右が紀伊国屋店長の川上さん。
川上さんの隣の方が昼食会の京料理を作って下さった料理人さん!
この私達の目の焦点の合わない疲れ切った顔~~><wwww


その後案内されて少しだけ急いで店舗を回りました。


ドイツも上海もなぜか本屋さんでいつも時間がな〜い;
もう閉店間際。9時頃でしょうか。


川上さんが、ちょうど噴水ショーが始まりますよ、と教えて下さりバルコニーへ。
TVでも見た事があります。
ドバイ名物の噴水ショーを間近で観賞出来ました。


紀伊国屋書店のこのバルコニーからちょうどいい角度なのです。

ふと横を見上げると


例の世界一高いビル ブルジュ・ハリファがそびえ立っていました。
す、すごいな〜〜〜

元旦ニューイヤーにはこのビルから花火が上がって、ここは特等席になるそうです。高いチケット代を払ってこの席をみな予約するそうな。何から何まですんごいドバイ。


とにかく凄い品揃え!
紀伊国屋さんいろいろありがとうございました!
フラゼッタの巨大イラスト集欲しかった〜><!


不思議とパワーがパワーを呼ぶと言いましょうか。
漫画ってやっぱりすごいなって思いました。

その後食事をとってまたまた車でアブダビのホテルに戻り、
人生初の経験がぎゅっと詰まった濃すぎる長〜い一日が無事終了しました。
さすがに疲れた。
でも咳の発作も治まっていて、
偉いぞ自分の身体。よくがんばった。と誉めてあげて
バタンキュー。






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2013年09月03日(火) 06:09 by Akira Himekawa [ Edit ]